みなさんこんにちは。
前回から仰臥位における、
褥瘡予防のポジショニングについて
解説していきました。
そこから引き続いて今回は、
体幹と下肢のポジショニングについて
説明していきたいと思います。
目次
体幹と下肢のポジショニングのポイントとは?
仰臥位での腰部と体幹部のポジショニングでは
基本通りに骨の突出部でオッケーです。
胸椎と腰椎には前腕と後弯があり、
仰臥位の場合には肩甲帯と腰部の仙骨で
主に設置しているため、仙骨の下の部分に
タオル等を敷く形が無難と言えるでしょう。
しかし、
対象者の方の麻痺の程度によっては
体幹が左右のどちらかに向いたりする事も
考えられるために体幹の浮いている側に
タオルやクッションなどを挟んで
接地面積を増やすことでポジショニングをします。
もしくは柔らかいマットレスなどを使用するのも
良いかもしれませんね。
下肢のポジショニングの注意点とは?
膝関節を伸展させて仰臥位になっている場合、
骨盤は前傾している状態になります。
臀部には大きい筋である大殿筋があるために
臀部で褥瘡が起こる確率は少ないでしょう。
ですが、
対象者の年齢が高齢である場合には、
膝を30〜40°程度に屈曲させて
膝下に枕や三角マットを設置することで
下肢の接地面積を増やすことができます。
ただ、その際には踵部が骨の突出部であるために
タオルの設置をしたい所です。
そして足関節の過度な底屈の予防のためにも
足底部に接地するようにクッションを
使用しましょう。
仰臥位におけるポジショニングの注意点
これは以前にも少し書きましたが、
ポジショニングが必要な対象者の方の中には
片麻痺を呈している方がとても多いです。
片麻痺の方の場合に身体の左右を
対照な形で仰臥位を取ることが可能な方は
そんなに多くないと思われます。
弛緩性の麻痺の方は筋の緊張の度合いが
低下しているためにある程度できると思いますが…
全身の筋緊張が高くなってしまっている方の場合、
共同運動で上肢と一緒に肩甲帯や下肢も一緒に
屈曲位を取ってしまう事も非常に多いために
麻痺側だけでなく、対象者の方の病態が
どの程度のものなのかという観察が
重要になってきます。
さて、次は側臥位について
解説してみたいと思います。
側臥位のポジショニングをする前に…
麻痺のある方が側臥位で過ごす場合ですが、
ベッドと接するのは健側方向になります。
感覚障害がある場合に身体の下の方に
麻痺側が来てしまう形になると
痛みが鈍っている場合には
気付かずに身体的に無理な姿勢を取ってしまったり、
健側よりも強い痛みを感じる場合には
対象者の方へととても怖い思いを
させてしまう事になります。
患側方向への側臥位を取るのを
対象者の方や家族の方の理解を得られていて
リスク管理もしっかりできているのなら
良いと思いますが、
こちらの不注意でそういう事態を
招いてしまった場合には、
医療の場面における事故として
インシデント・アクシデント・レポートという
報告書を書く事になると思います。
対象者本人やご家族等へ謝罪をしたり
担当のセラピストから外される事も
珍しくないと思います。
そうしたらせっかく真面目に仕事をしていても、
みなさんの積み上げてきた信用が
一気に崩れてしまいます…
ですが、
「どんな状況では何がリスクになるのか」を
キチンと理解して勉強や実習授業へと臨む事で
防止する事は決して難しくないので、
自分だけで考えるよりも
普段から仲間や先輩方と色々と
話し合ってみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
正しくポジショニングが完了したら
ベッドや布団に正しく寝られた事を
対象者の方へ伝えましょう。
ADL動作や歩行訓練、作業療法などの
必要以上に身体に力が入ったり入らなかったりと、
活動した後は疲れてしまうものなので
安心感を得られるような気遣いの声掛けも
忘れないようにしたいですね!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。