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【パーキンソン編3】ドパミン以外で不足しやすい物質は?足りない時の対処や対応は?

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みなさんこんにちは。

 

前回、前々回とでパーキンソン病における

陽性症状と陰性症状について

説明をしてきました。

 

今回、第3回目ではパーキンソン病が発症する

機序について改めて整理してみたいと思います。

 

パーキンソン症状の始まり

パーキンソン病の直接的な原因は

いまだハッキリと解明されてはいませんが、

中脳の黒質で産出されるドパミンや

ノルアドレナリンが不足するために

中枢部の機能低下を招きます。

 

それはドパミンを大脳基底核などへ伝える

ドパミン作動性ニューロンが変性、脱落し、

その本来ニューロンが繋がる先で

ドパミンが足りなくなるという結果になります。

 

黒質から始まるドパミン作動性ニューロンの

変性、脱落が起こると、

黒質からドパミンを受けて働く帯状回や

前頭前野から生み出される、喜び・悲しみや

物事への意欲といった人間らしい感情を

上手に表現できなくなってしまったり、

思考の貧困化、意欲の低下といった

陰性症状の発生に繋がっていきます。

 

その他にも、前頭前野は

ワーキングメモリーや反応抑制、

推論の認知・実行機能なども担っているために

これらの機能も低下もみられるようになります。

 

ドパミン作動性ニューロンの変性・脱落が

起きた場所ではレビー小体という

異常タンパクが発生していて

レビー小体型認知症状を併発することも

珍しくありません。

 

中枢から末梢へ

さて、

ドパミンの量が減るだけでも

中枢部の様々な所に影響が出る事が

わかると思います。

 

それでは中枢から末梢で

どういう形でパーキンソン病の症状に

なっていくのでしょうか。

 

大脳基底核には錐体外路のニューロンが

通るのですが、そこを通るのは

身体の姿勢や反射を司る伝導路であり、

淡蒼球はその大脳基底核から出ていく

命令の強弱を調節しています。

 

また、

大脳基底核内の線条体(尾状核と被殻)では

黒質緻密部からドパミン作動性のニューロンが

繋がっていて淡蒼球の働きを

調節しています。

 

ドパミンが作られている黒質は線条体に

ドパミン作動性ニューロンで繋がっているため、

ドパミンの減少により、本来であれば

保たれているはずのバランスが

崩れてしまいます。

 

このため、パーキンソン病になると

普段ならばみられない身体の不随意運動が

起こってしまいます。

 

さらに、ドパミンは脳内の命令の抑制に働いている

「ノルアドレナリン」の原料であるとされているため、

疾患の始まりであるとされるドパミンの不足により、

脳内の『「命令を中断する」という命令』が出せず、

「歩きだしたら止まれなくなる」という

「突進現象」という状態を

引き起こしてしまう事も少なくありません。

 

総括として

このパーキンソン病は

進行性の神経疾患であるため、

症状の軽い最初のうちは

「ちょっと身体がいつもよりも

なんか少し動かしづらい感じがする」

という程度で済みます。

 

症状が少しずつ進行してくると、

自分の意志で身体を動かす事が

段々と困難になってきます。

 

症状がかなり強くなった状態では

歩く事も困難になったり、

嚥下障害も出てしまうために、

移動を車椅子で行ったり

誤嚥性肺炎を防ぐために

食事も柔らかい物が中心になっていき、

水分の摂取もトロミが入るなど、

対象者の方のQOLは著しく低下します。

 

そして末期症状になると、

ADLは全介助レベルになってしまい、

普段の生活もベッドで

寝たきりになってしまいます。

 

次回はパーキンソン病における

ホーエンヤールの重症度分類や

罹患した方に対しての

関わり方などを説明できたらと思います。

 

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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