みなさんこんにちは。
パーキンソン病についての解説をここから
始めていこうと思います。
みなさんはパーキンソン病に罹った(かかった)方を
見たことはありますか?
もしかしたら身内に罹っている方も
いるかもしれませんが、この疾患に罹っている方
はあまり積極的に人前には出てこないと思いますので、
実際の病態というものを知らない方も
多いのではないでしょうか。
このパーキンソン編では、学校の授業などでも
取り扱うような症状や実際の病態から原因や評価法、
国家試験の問題でパーキンソン病というものについて
みなさんに広く情報を提供できれば、と思います。
というワケで、つらつら書いていきますので
よろしくおねがいします。
パーキンソン病の4大徴候とは
まずは陽性症状とも言える、
パーキンソン病で代表的な
4大徴候の紹介からしていきます。
パーキンソン病の4大徴候は
・固縮
・安静時振戦
・無動(寡動)
・姿勢反射障害
の4つだと言われています。
「陽性症状」とは、
普通の健康な人には現れない病気になると
現れる症状の事です。
よく、妊娠検査薬などでも「陽性」というのは
赤ちゃんができた、いわゆる妊娠している状態です。
これは、妊娠していない女性にとっては、
何もしなければ(性交渉せずに)「妊娠」するというのは
まずありえないことから陽性と呼ぶのだと思われます。
という事で、
パーキンソン病の陽性症状について
解説していきます。
この辺りは作業療法学生のみなさんには
すでに理解している内容かもしれませんね。
固縮
固縮とは、
身体の筋肉が力を思いっきり入れたように
ガッチガチになってしまい、
自分の意志で思うように動かせなくなることです。
自分の意志でこの過度な筋緊張を
緩めることができないために、
患者さんはとても疲れやすいのが特徴です。
筋が固まるということはもちろん、
関節も固まってしまうために
自分で身体を動かすのが
とても大変です。
安静時振戦
後にも説明しますが、
パーキンソン病は錐体外路の変性疾患であり、
適切な姿勢の制御ができなくなってしまいます。
それはつまり、筋に力を入れている時は
腕や身体を固定できるのですが、
力が入ってない時の身体の筋緊張を
調整する機能が低下しているために、
身体が勝手に動いてしまいます。
健常者でのイメージとしては、
気をつけの姿勢で目を閉じると身体が
フラフラ動いてしまう感じ、わかります?
その身体のどこに力を入れれば上手に立位姿勢を
保てるかがわからないというような状態です。
これは身体だけでなく、手指や頸部、足なども
せわしなく勝手に動いてしまうために、
手で粘土をコロコロと指先で丸めるような「丸薬丸め振戦」、
身体全体ではその踊っているような感じから
「舞踏運動」とも呼ばれるのが特徴です。
他にも、
・他にも口をもぐもぐ動かす(顎関節)
・足をバタバタ動かしてしまう(股、膝関節)
といった不随意な動きが出てしまいます。
無動
この「無動」の原因も先にも解説した、
固縮と同じメカニズムによって
起きるものである、と
文献では解釈されています。
パーキンソン病に大きく関わっている
錐体外路とは大脳皮質から大脳基底核を通り、
中脳の赤核や黒質を通ります。
その黒質で「やる気物質」とよく言われる
ドパミンが分泌されないために、
大脳基底核からの抑制の出力が大きくなって
(大脳からの興奮性の命令が小さくなって)
この無動が起こってしまいます。
学校の授業レベルや医療関係のサイトでは
「ドパミンの産出不足によって無動が起こる」
…というような簡単な説明で終わる事が多いと
思われるので、このメカニズムはちょっとした
豆知識ではないでしょうか?笑
姿勢反射障害
以前は(徴候)陽性症状は固縮・振戦・無動の3種類と
言われた事もあったそうですが、今はどこでも
この姿勢反射障害を含めた4種類でしょう。
先程から説明している通り、
錐体外路の変性によって体幹の筋などが
筋固縮の状態などになってしまうと、
身体が倒れそうになった時に身体を
水平に保とうとする「立ち直り反射」が
できなくなってしまうために
そのままバタッと倒れてしまいます。
もちろん肩や腕に固縮があったりするので
手をついて身体を支える事もできません。
非常に危ないので、パーキンソン病の方に
関わる際は転倒事故などの起こらないように
十分に気をつけたいですね。
最後に
パーキンソン編、としまして
パーキンソン病についての
色々な解説をしていこうと思います。
最初の方はよく聞く話が
多くなると思いますが
できるだけ学校の授業など、
他では聞けない話もできるだけ
盛り込んでいきたいです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。