みなさん、こんにちは。
Brsの上肢の検査法の説明の続きです。
stageⅣについて前回の記事で説明を
させていただきましたので、
それについての詳しい説明を
ご覧になりたい方は前回の記事を
ご参照ください。
今回と次回に渡って、
Brsの上肢ステージⅤの説明へと
入っていきたいと思います。
目次
stageⅤのADLとは?
患者さんの麻痺も、
このステージⅤのレベルになってくると
かなりの場面で生活の質が
上がってくるでしょう。
自分の身体から前方へ向かって
手や腕を伸ばすことができたり、
身体はまっすぐなままの状態で
顔より上に向けて上肢を動かすことができたり、
さらには、
上肢を横へ向けて上げることが
できるようになるために
食事や更衣動作、整容、排泄、入浴と
対象者の方のADLについて考えてみれば、
そのクオリティの上がり幅や対象者の方の自立度は
勉強中であった学生時代に私が考えていたところよりも
随分と大きいのではないかと思われます。
もちろん以前にも書きましたが、
Brsの検査でみる段階がかなりザックリとした
判定基準というのもありますけどね。
では、Brsで考えるstageⅤにおける
身体の麻痺の程度というものは
どのようなイメージで考えていけば
良いのでしょうか?
stageⅤの定義とは?
それは、
麻痺による基本的な共同運動から解き放たれて、
複数の関節が独立した運動を
ほとんどの場所で可能となり
痙縮はstageⅣよりも減少している状態である。
…という感じです。
言葉で考えると
なかなか頭の中でピンと来ない…
というのはあると思いますが、
実際に自分で更衣動作などをやってみると
理解も進みやすいかもしれませんね!
お風呂で身体の動きに制限を付けて
麻痺の真似をすると他のADLの場面に比べて
より動きがダイナミックというのもあり、
制限が厳しく感じると思いますから
リスクの予測や管理についても
勉強になるはずです。
というワケで、
BrsにおけるステージⅤの検査について
解説を始めていきたいと思います。
Ⅳとどんな違いがあるのか?
BrsのstageⅣとⅤの違いとはどんな所でしょうか。
教える人によってある程度は
選ぶ言葉にばらつきがあると思いますが、
私が考える所として
上肢の前方挙上は90°以上挙げる時に
肘が30°以上曲がってしまうと
それは共同運動に支配されていると
考えて良いと思います。
(理由は他の検査(上田の12段階法)で説明します)
私が実際に外部で麻痺がある方へと
実際にBrsの検査をやらせて頂いた時は
ⅣとⅤでの区別は動きの指示をすると
代償行動が出てしまう事が多かったですし、
代償行動をしないようにしてもらうと
やっぱりどうしてもできない、という方が
ほとんどでした。
なので、肘を伸ばす動作一つにしても
体幹を始め、身体そのものの動かし方が
どんな風に動くのか、を
観察する必要があるんですよね。
どんな検査をするのか?
Brsの上肢のステージⅤの検査で
行ってもらう動きは全部で3つ。
・肩関節90°屈曲位で肘を伸展させて前腕を回内外する
・肩関節90°外転位で肘を伸展させる
・肘を伸展させて肩関節を135°以上に上げられる
といった感じです。
これらはどの動きも
ステージⅣで確認してきた動きの難しい版、
と考えても良いと思います。
肩関節90°屈曲位で肘を伸展させて前腕を回内外する
この動きでは、
Ⅳの検査で確認した上肢の前方挙上に
更に前腕の回内外を加えた形となっています。
そして、肘90屈曲位での前腕の回内外を診る、
とも言えますね。
共同パターンに支配された運動から
分離した運動に更にまた別の分離運動をする事で、
ステージもⅣからⅤへと上がっているのが
わかると思います。
肘が伸展した状態で
前腕の回内外ができるという事は、
それよりも肘を屈曲した状態での
前腕の運動も可能という事になります。
なので、
更衣動作の最後の手順として
誰でも服を整えるという作業があると
思うのですが、
そういった所や食事動作も
楽になると思います。
今回の終わりに
Brsの検査では各stageで
いくつかの動きを見ていきます。
それぞれの動きで見ていくべき部分と一緒に
それらを改善するためにどんな感じの治療をするのか、
という所も書いていきたい所ですね。
今回の解説はこの辺りまで。
次回にまた続きの説明を
続けていたいと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。