みなさんこんにちは。
本日は肩甲上腕リズムについての説明をしていこうと思います。
誰でも一般的な「気をつけ」の姿勢をする時には
肘を伸ばして上肢を真っ直ぐ下へと降ろしたような
状態になるかと思います。
その状態(ROMが0°)から肩関節を外転させて
真上まで伸ばした時、普段一般の方
「肩の関節を動かしている」と思いがちですが
実は肩の関節意外にも腕の外転を補助している関節があるんです。
では、そこは一体どこなのか?
それをこれから説明していきます。
肩甲上腕リズムの定義とは?
肩甲上腕リズムの定義について、少し解説します。
「肩関節を外転させる時に、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の
動く角度が2:1の割合となっている」
というもの。
これが肩甲上腕リズムです。
誰でもわかると思いますが、
健常者ならば上肢は180°まで外転させる事が可能です。
しかし言い換えるなら、その180°の角度の内訳は
・肩甲上腕関節が120°
・肩甲胸郭関節は60°
ということになります。
さらに、肩甲胸郭関節は
・肩鎖関節
・胸鎖関節
この2種類の関節のことを指します。
さて、それではそれぞれの関節について
どういったものか解説をしていきます。
肩甲上腕関節とは何か?
肩甲上腕関節というのは肩甲骨と上腕骨とを
繋いでいる関節の事を指します。
つまり、いわゆる世間一般で言う「肩」ですね。
この肩甲上腕関節をそのまま
気をつけの姿勢のままで外転させていくと、
上腕骨の大結節が肩甲骨の肩峰へと当たってしまうために
それ以上の外転運動をする事ができなくなってしまいます。
その角度が一般的に120°と言われているため、
「肩甲上腕関節の角度は120°」という風になっています。
これは骨と骨とがぶつかって
関節可動域の制限となっているために
「骨性の可動域制限が出ている」状態とも言えます。
胸鎖関節とは何か?
「胸鎖関節」という名前の中にある文字は胸と鎖。
それはつまり胸骨と鎖骨です。そのまんまです。
その場所は鎖骨の内側下部です。
この関節の動きが腕の動きに直結するので
「ゆるく厚い」関節包に包まれています。
しかも上肢は色んな方向へと動かせる自由度3の
関節ですから、関節円板というものまで入って
上肢の動きを徹底してサポートしています。
この胸鎖関節の関節可動域は
一般的に30°と言われています。
肩鎖関節はどんな事をしてる?
肩甲骨と鎖骨を繋いでいる関節が「肩鎖関節」です。
この肩鎖関節の働きは、関節運動を起こす事で
「肩甲骨そのものを動かす」ことができます。
そしてその方向が「上方回旋」であり、角度は30°です。
関節内部には不完全であるが関節円板があるので
自由度は3となります。
この「不完全」とは、大きさや厚さに
個人差が大きいためにこのような表記になったようです。
この関節円板を挟んだ関節であるため、
関節の形は鞍関節ですが、滑らかに動いていくため
3という自由度になるわけです。
今回のまとめ
以上に解説してきた3つの関節をまとめると、
・肩甲上腕関節:120°
・肩甲胸郭関節:60°
・胸鎖関節:30°
・肩鎖関節:30°
これらの関節が合わさる事で肩関節の外転を
生み出しているワケですね。
さらに言うと、この肩甲上腕リズムが正常に動かせない場合、
体幹を側屈して動作を行おうとする、というような
代償運動の引き金になりかねません。
代償運動は普通なら起こらないですし、仕方なくそうするもの。
なので当然ストレスの原因にもなりますから、
対象者の困ってる原因をいち早く突き止めるためにも
この肩甲上腕リズムは覚えたいところです。
しっかり覚えてこれからの勉強にも役立てて下さいね!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。