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【MS編1】多発性硬化症の代表的な病態や責任病巣とは?国家試験の過去問も解説!

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みなさんこんにちは。

ここからは多発性硬化症という疾患の説明を

していきたいと思います。

この多発性硬化症という疾患は、

国家試験にも毎年のように出題される

非常にポピュラーな疾患です。

 

私が学生時代に使用していた授業用のレジュメにも

「国試に出やすい」という感じの端書きが

あったほどです。 笑

 

この疾患は有名所で言うなら

以前、笑点の回答者だった林家こん平師匠が

この疾患を罹患されたという話がかなり有名です。

 

…という事で、

この疾患がどういうものなのか、というのを

きっちり理解しておく事ができれば

無用な取りこぼしを防ぐことが

できるということなんですね。

 

その年に出題された問題がたったの1問だったとしても、

そのたったの1問でその後の1年間の自分の行動が

決められてしまうのですから、

決して軽く考える事はできません。

 

もしその1問に泣く事があったとしたら、

その次の年度の国家試験を視野に入れた勉強に

取り組んでいく必要がありますし、

みなさんが学校や施設で訓練してきた

実技の精度というのも磨いていく必要があります。

 

その気になれば勉強だったら

どこでもやる事はできますが、

実技に関してはそうはいきません。

いつやる?誰を相手にする?

訓練するなら場所はどこで?

通っていた学校で練習をさせてもらえるなら

良いのですが、そうはいかない方もいると思います。

そうした時に次の国家試験に対するモチベーションを

持ち続けるのはとても大変なことです。

 

1年に1回しかない国家試験へと臨むのであれば、

「今この瞬間もそういった厳しい事実と向き合って

必死になって戦っている人はどんな気持ちだろう」

という事を想像するべきです。

きっと勉強に対して身の入らない時もあるはずです。

そういう時にほんの少しだけ立ち止まってみて、

この先に続いている現実的な未来というものは

どういうものなのか?ということへと

想いを馳せる事でおのずと

やるべき事が見えてくると思います。

 

というワケで、今からまた一歩だけですが

その歩みを進めてみましょう。

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多発性硬化症は何が起こる疾患なのか

兎にも角にも、まずは疾患としての

特徴を知っていくのが順当なところです。

 

多発性硬化症の症状とは、

身体の中枢神経系で神経の伝達が

正常に行われないために感覚や運動に

障害が出現する、というものです。

 

疾患が発症する年齢は30歳辺りが

ピークであるとされており、

罹患した方の80%程度が

50歳までに発症するということが

今日では知られています。

 

また、性別によっても発症する確率が

違っているようで、女性に多い疾患だと

言われています。

 

そしてまた、有名な特徴の一つとして

症状が「寛解」と「増悪」を

繰り返すことが有名です。

責任病巣は場所を選ばず色んな所で発症し、

中枢神経系の軸索が炎症性の脱髄を起こします。

 

この多発性硬化症を罹患する方の多くは

運動時に身体が痺れたり、視力が落ちたような

違和感を覚えて疾患が始まりますが、

その症状は寛解と増悪を繰り返すために

「あの違和感は気のせいだった?」というように

深く考えない方も多いと思います。

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多発性硬化症の責任病巣と病態は?

現在の医学では多発性硬化症の原因は

まだわかっていませんが、遺伝性の素因に対して

ウイルス感染が重なったりした結果、

自己の免疫の作用で炎症性の脱髄を引き起こしていると

言われています。

 

つまり、

体内に侵入してきたウイルスなどを発見して

免疫機構が働く時に、神経の髄鞘を攻撃してしまい

脱髄が発生するという形です。

 

その後でシュワン細胞の再髄鞘化が起きて「寛解」、

そこからまた髄鞘に働くサイトカインが

ウイルスと勘違いされて攻撃されて「増悪」という

一連のサイクルができあがるわけですね。

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「時間」と「空間」

多発性硬化症の中でも大事なキーワードが

あるのでここで紹介します。

 

上でも少し書きましたが、

多発性硬化症はその症状の場所や頻度といった部分から、

・「空間的多発」
発症は場所を選ばず、色んな所で起こる

・「時間的多発」
場所を選ばない事に加えて、寛解と増悪を繰り返すため
いつでも沢山症状が起こる

という風に分けられる特徴を持っています。

 

こうした疾患の特徴を正しく掴んでおくことで、

より一層、患者さんの気持ちに寄り添える作業療法士に

なれるようにしたいところですね。

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多発性硬化症における視力障害

多発性硬化症では、日常生活の中で

視界に違和感を覚えるのが代表的な

自覚症状だと言われています。

 

視神経の脱髄により眼球から入力された情報に

異常を感じるその機序は上でも説明した通り、

髄鞘が脱髄

シュワン細胞がまた髄鞘を形成して寛解

剥がれて増悪

という風な流れを取っていきます

 

具体的な視力障害の病態とは、

視界の見ようとした部分が暗くなって見えないという

「中心暗点型」や、視界全体に霧がかかっているような

感じになったりするようです。

 

他にも、目を動かす時に痛みを感じたり、

眼球の後ろの部分に痛みを感じるような

ケースも存在するとのことです。

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多発性硬化症の国家試験問題

国家試験の過去問を調べていたら

簡単な問題が見つかったので、

国家試験の過去問でどんな感じの問題だったか

解説したいと思います。

 

もしこれが知らない疾患だったら、その時点で

1点減点になってしまいます。

以下の簡単な問題を見て、

その勿体無さをみなさんにも

知ってもらいたいと思います!

 

第44回の午後に、以下の問題が出されました。
(問題は要約しました)

・多発性硬化症の特徴はどれか
A 高齢者が多い
B 脱髄が主な病変である
C 症状は日内変動をする
D 初発症状は眼瞼下垂が多い
E 12の脳神経は聴覚が障害を受けやすい

脱髄疾患というのを上でも説明しましたので、

答えはもちろんBですね。

A 若い人に多いため、間違い
C 時間的多発という特徴があり、いつでも寛解と増悪はする
D 初発症状は視力低下が多い
E 障害を受けやすい脳神経は視覚

他の選択肢はこんな感じですね。

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最後に

今回は多発性硬化症の症状と責任病巣に加えて、

国家試験に対しての個人的な持論も書いてみました。

 

読んで受ける印象は様々だと思いますが、

ただただ現実は厳しいです。

「何か考えたならちょっとで良いから
行動に繋げて後を楽にしよう。
国試は1点でも足りなければ結局0点と一緒」

という、

私が尊敬する先輩セラピストの言葉を

みなさんにも紹介して今回は

終わらせていただきたいと思います。

 

今回は特に長くなってしまいましたが、

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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